Happy Cristmas
昨年のクリスマスイヴのことである。
私が布団に入って、さあ寝るかというところでいきなり部屋のドアが開いた。
見ると紫色のライトダウンを羽織った巨体が立ちすくんでいた。
「サンタだよ」
サンタであるわけがない。
どう見てもそれは静子だ。
サンタというのは白いひげをたっぷりと蓄え、赤を基調とした服をしている少し太めのおじいさんのことだ。
"少し太め"という部分しかあっていないではないか。
静子は私に小さな紙袋を渡し、その場を立ち去った*1。
紙袋の中には直方体の箱があり、開けてみると、それはミキモトのベビーパールがついたボールペンであった。
小ぶりで可愛いそれを私はいつもバッグに忍ばせている。
Happy Christmas !
*1:本当は枕元にこっそりとおきたかったらしいが、私が起きていたためにそれは叶わなかった。